最新の電気部品を活用することによるAGVの進化

現場の効率化を支えるAGV（無人搬送車）は進化し続けます。このたびリプレースした大型特殊仕様「自動移載装置付き円筒形大型ワーク搬送AGV」は、工場の生産性向上に大きく貢献するポテンシャルを秘めています。

進化したポイント①：電動方式の採用

私たちは、ユーザー様が長年使用していたAGVをリプレースし、メンテナンス性を向上させるためにAGVの制御に最新の電気部品を採用しました。さらに、大型ワークを搬送するための油圧方式を電動方式へと一新しました。この変更により、以下のようなメリットが得られています：

• メンテナンスの手間軽減
• 環境負荷の低減
• 動作の精密性と安定性向上

また、電動化によるスムーズなスライド動作やサーボコントロールを可能とし、大型ワークの安定搬送を実現しています。特に、650kgもの搬送ワークを片持ちで安全に積載できる設計が特徴です。車体から離れたワークをすくい上げる際には、偏荷重による転倒リスクが生じますが、転倒防止装置などを装備することで安全性と機械成立性を高い水準で両立しています。

進化したポイント②：安全性と精密性の両立

広範囲安全監視システムを搭載し、測域センサーを使用して周囲の障害物や人を高精度に検知します。このシステムは、実際に使用するオペレーターに安心感を与えるとともに、効率的な運搬を可能とします。

進化したポイント③：設計の最適化による耐荷重性能の向上

650kgもの大型ワークを片持ちで安全に積載するための設計最適化を実現しました。車体から離れた位置でのワーク搬送においては、偏荷重による転倒リスクが大きな課題となりますが、転倒防止装置や精密な重量バランス調整技術を採用することで、安全かつ安定した搬送を可能にしています。このような設計の工夫により、大型・特殊なワークへの対応力が大幅に向上しました。

進化したポイント④：高性能PLCと「見える化」の実現

高性能PLC（プログラマブルロジックコントローラ）を採用し、安全制御を実現しています。これにより、システム全体の安定性と信頼性を大幅に向上させました。さらに、タッチパネル表示を用いた「見える化」により、操作性が向上し、運用状況の把握が直感的に行えるようになりました。これらの取り組みは、ユーザーの安心感をさらに高める重要な要素となっています。

大型・特殊AGVが描く未来

大型で特殊な仕様に対応したAGVは、これまで人手が必要だった大型ワークの搬送作業を効率化し、現場の働き方そのものを変えつつあります。今後もこれらの技術が進化することで、AGVはさらなる自動化と安全性の向上を実現し、日本のものづくりを新たなステージへ押し上げるでしょう。

このAGVが生む価値は、単なる搬送作業の効率化にとどまりません。働く人々の負担を軽減し、よりクリエイティブな業務に集中できる環境を提供する未来が、すぐそこまで来ています。