フォークリフト型ロール搬送ＡＧＶ

メーカー専用品の細やかな弱点

クライアントのアサヒマカム株式会社様は、世界的なブランドとも取引がある繊維メーカーです。これまでもAGVを運用していましたが、２つの課題を抱えていました。

一つはAGVのサイズです。これまで使用していたAGVはメーカー専用品のパーツで構成した仕様であったため、どうしてもサイズが合わない部分がありました。特に課題になっていたことは、資材を運搬して倉庫に格納する際に、AGVが倉庫内に入ることができず、別の受け渡し装置を設置しなければならないことでした。

もう一つはメンテナンスの問題です。繊維の製造工程ではどうしても細かな繊維くずが発生します。これが、駆動装置などに付着すると誤作動や故障の原因となってしまいます。そのため、繊維を取り除く作業が必要となり、これも大きな負担となっていました。

お客様の課題：現場環境に応じたオーダーメイドAGV

サイズやメンテナンス性にもこだわった独自仕様

汎用品AGVには、価格が安く短納期という特徴がありますが、一方で細部に目を向けるとどうしても不都合が出ます。一般的なサイズ、一般的な機能が、その工場に当てはまらない部分が必ず出てくるのです。製造業にあっては、ほんの小さい不都合でもあっても、それが数年単位で積み重なったとき、大きなロスになっていくことも少なくありません。

こうしたことを解決できるのが、オーダーメイドの強みです。

シコウでは現地の工場に何度も足を運び、AGVが通るルートや周囲の状況、また運用されている現状を把握しました。現場の方々からは多くの要望が出され、その一つひとつについて、実現するために検証を重ねました。

導入後：作業の効率性のみならず、メンテナンス時間も削減

完成したAGVは、一回り小さな車体となりました。

倉庫にぴったり収まり格納まで自動で行えるため、効率性の大幅な改善やコンパクトになったことで人と行きかう通路も拡大され、現場の安全性にもつながりました。

懸案であった繊維くずが溜まりやすい駆動部は、キャスターや駆動輪を目視確認や部品へのアクセスがしやすいようなフレーム・カバー構成とし、メンテナンスの時間も大幅に削減できました。